production_298’s blog

筑波大学アイドルマスター研究会(通称:298プロ)の公式ブログです.

2020年ミリシタの旅

 やあ兄弟。今日は何の話を聞きに来たんだい?デレステシャニマスか、或いは最近流行りのバーチャルライバーってところか?おいおいアメリカンジョークだそうカッカするなって。オーケー、分かったよ。今日はツイてるぜ?とびっきりの話が入ってきてる。俺も喋りたくってウズウズしてたんだ。今回はサービスさ、俺とお前の友情に感謝してな。

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アイドルマスターミリオンライブシアターデイズ

 

 

 パラレルものってのはどうやら昔から人気ある二次創作の一つで、マフィアパロに妖パロ、時を中世に戻したり現代に進めてみたり。果ては神様になっちまうことだってある。東洋人ってのは恐れを知らねえ。まあいい、吸血鬼パロなんてのはその代表格で、社会的地位や理性と本能の均衡からなる……あー、つまりエモくて魅力的で人気があるってことだ、分かるな?ただ残念なことに、この種の供給が公式から降ってくることは普通ない。当然だ、アイドルは血を吸ったりしない。

 しかしミリマス運営は少し変わった物の考え方をしていて、劇場を空中に作ったり宇宙を人形で埋め尽くしたり。つまりは普通じゃねえってこった。あろうことか、アイドル主演の舞台案件なんて名目で吸血鬼パロを公式に披露しちまったんだ。3Dモデル映像付きミュージカル1曲にフルボイスドラマCD約1時間。しかも見てみてビックリ、シリアス強め、本場の吸血鬼ものだ。人間も吸血鬼も悩むし苦しむし今にも折れそうなか細い希望を持ってるし、何より後味が最高に最悪なんだ。あんまり詳しく話すとネタバレになっちまうが、さっきも言ったろ?お前はツイてる。なんとイベントコミュで美味しい場面が見れちまうんだ。練習風景だから衣装やセットは仮だけどな。

 

 その他にもミリオンライブは西から東まで色んな悪どい商売に手を染めてる。近未来SFと銘打って、ディストピア下での人とアンドロイドの成功するはずもない逃避行を描いたこともある。ヒーロー物と称してアイドルヒーローを悪堕ちさせた時は合衆国中で再光堕ち反対の抗議デモが繰り広げられたほどだ。

 昨年だけでミリオンライブは8つも劇中劇を作ってやがる。つまり奴らは我々の性癖や弱点全てを抉るつもりでいるんだ。NASAはこの事実を公表しちゃあいないがな。

 

 

 ところで先日シカゴで開かれたミリオン6thライブなんだが、なかなか面白い噂を耳にした。こいつはユニット単位でパフォーマンスするってコンセプトで、中にはさっきの話に出てきた吸血鬼もの、夜想令嬢のメンバーもご招待されてたんだ。そこで彼等が何をしでかしたと思う?そう、現実世界でのミュージカルだ。思わず息を呑む完成されきった雰囲気に会場中が口をあんぐり開いた間抜け面さ。その真に迫った演技が話題になって、裏では令和のヘップバーンなんて二つ名で呼ばれてるとかいないとか。衣装なんてのもほら、この通りさ。

  

 でも最も言及すべきなのは彼女達のみが持つ特殊な性質、つまり多層性だろうな。ミュージカルの中で動く登場人物達は当然一人ひとり生きる理由があり、彼等なりの思想で行動している。まずこれがエモい。で、その役を演じるアイドル達もこれまた様々な思いでそれを演じている。なんならミュージカルの閉幕後にアイドルとしての舞台挨拶まで用意されてる。エモの二重奏だ。そして更に、そのアイドルをステージ上で演じる声優、最早舞台俳優と言っても差し支えはないだろうが、彼女達も役を演じるアイドルをそれぞれ演じている。俗に言うエモの三和音ってやつだ。つまり尊さが3倍だ。これは俺の祖父の口癖だったんだが、人間はエモを求める生き物さ。尊みが深ければ深いほど良さみを感じてそれに惹かれてしまう。そう、俺とお前のようにな。あー、つまり何が言いたいかって、真剣に作り込まれた劇中劇はエモいってことだ。

 

 最後に一つ、ミリオンライブには主人公を変えて幾つかのコミカライズ作品があるんだが、これまたどれもエモが深い。俺のイチオシは門司雪先生の、俗にゲッサン版と呼ばれてるやつで、これはエモいマンガの最高にエモいシーンにエモい曲まで付いてくる非常にお得な代物だ。書店なんかで見かけた時には気にかけてくれると、死んだお袋も浮かばれるってもんよ。

 

 

 つまりだ。ミリオンライブってのは何もプロデューサーである必要はない。物語の読み手としてもバッチリ楽しめちまうってことを伝えたかったんだ。どうだい?今までの話が何か参考になれば俺も嬉しい。エモい話が聞きたかったらまた来てくれ。今度はもっと良いのを入荷しとくからよ。そんじゃ、良い筑波ライフを。

 

著:高菜